遺言があれば、遺言に従うことになりますし(但し、遺留分の問題があります。)遺言がなければ、民法の規定により従うことになります(法定相続人)。
この場合、被相続人に配偶者がいれば、配偶者は必ず相続人になります。 それ以外については、次の順序で相続人となります。
1 子
2 直系尊属(両親・祖父母等)
3 兄弟姉妹 なお、内縁関係にある者、子の配偶者は相続人とはなりません。
誰が相続人になりますか?
相続財産の範囲はどこまでですか?
基本的には亡くなった方(被相続人)が死亡したときに有していたすべての財産ということになります。
この財産の中には、現金・預貯金・不動産・有価証券等の積極財産(プラス財産)の他に、借金等の消極財産(マイナス財産)も含まれます。
また、不動産賃借権等の契約上の地位も含まれます。
但し、共同相続人の中に被相続人の財産の維持・増加に特別の貢献をした相続人がいる場合には、協議でその者の取り分を多く定めることができますし、反対に被相続人から遺贈や生前贈与を受けていた相続人がいる場合には、その分を減らして、相続人間で公平になるように取り決めることになります。
被相続人に借金があった場合、その借金も引き継ぐのでしょうか?
借金も財産の一つですから、当然引き継ぐことになります。
しかし、相続放棄や限定承認という制度があり、一切の財産を引き継がないか、積極財産の範囲内で借金を引き継ぐこともできます。
遺言書がない場合、どのように遺産を分ければいいのでしょうか?
相続人間で協議によって自由に遺産を分割することができます。
なお、預貯金・不動産・株式等を分けるにあたっては、不動産登記や預貯金・株式の名義変更手続に際し、遺産分割協議書が必要になりますから、相続人全員で遺産分割協議書を作成する必要があります。
この遺産分割協議書には、相続人全員の署名・押印が必要となりますが、このときの押印は実印で行わなければなりません。
また、遺産分割協議書には印鑑証明書も添付する必要がありますので、遺産分割協議書を作成する際には、各相続人が自分も含めたすべての相続人分の印鑑証明書を用意しておくことが賢明です。
仮に、遺産分割協議書を用意せず、後日、自分以外の他の相続人に印鑑証明書を求めたところ、へそを曲げられて印鑑証明書が得られず、裁判をしなければならないこともありますので、遺産分割協議書作成時には必ず忘れないように致しましょう。
なお、相続人間で協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停 ・審判を申し立てることになります。