10月3日の判決 遺産分割後の相続放棄
東京地方裁判所平成25年10月3日判決 事案の概要 原告が、死亡した連帯保証人Aの法定相続人である被告らそれぞれに対し、求償債権残元金のうち法定相続分4分の1と同額の支払を求めた事案。 争点 ① 被告らによる相続放棄の申述が、民法915条1項本文に定める「自己のために相続の開始があっ...
9月27日の判決 家賃の回収を怠った大家は連帯保証人から滞納家賃を回収できなくなる。
9月27日の判決 家賃の回収を怠った大家は連帯保証人から滞納家賃を回収できなくなる。 大阪高等裁判所平成25年9月27日判決 考察 5年以上前の滞納家賃は時効で消滅しますが,大家が滞納の事実を漫然と放置して回収を怠っていた場合には,たとえ,5年以降の家賃で時効にかからないものであったとしても,未払賃...
9月16日の判決 鍼灸師に乳がんの有無を調べろというのは酷です。
東京地方裁判所平成22年9月16日判決 事案の概要 鍼灸院で施療を受けていた患者が,乳がんに罹患し,死亡したことについて,患者の相続人が,鍼灸師には,患者が乳がんに罹患している可能性を認識しながら,直ちに施療を中止して,乳がんの専門医による診断,治療を促すべき注意義務を怠った過失があ...
9月13日の判決 親亀こけたら子亀もこける。ところが。。。
最高裁判所第2小法廷平成25年9月13日判決 考察 親の借金の保証人となった子供は親が借金を完済しないで亡くなった場合は親の財産を相続するので債務者の地位と保証人の地位を併有するので保証債務の支払いをすると主債務の消滅時効の主張が出来なくなる。 事案の概要 Aは銀...
9月4日の判決 保存された精子
最高裁判所平成18年9月4日判決 男性の死後,保存された男性の精子を用いて生まれた子と当該男性との間に認知による法律上の親子関係の形成は認められない。 考察 法律の手当てがない以上,最高裁判所の判断はもっともだと思いますが,心情的には原審に与したい。 死んだ親父も生まれてきた子供も親子の証を戸籍に残...
9月3日の判決 認知症等の養親が行った養子縁組が無効と確認された事例
名古屋家庭裁判所平成22年9月3日判決 事案の概要 本件は,原告が,梅(大正12年生)に養子縁組の意思はないと主張して,梅と被告(昭和59年生)の養子縁組の無効確認を求めた事案。 考察 相続分を大目に取りたいための養子縁組は後々の争いの種。無理に縁組みをすると裁判所で覆されるので,遺言書と同様,他の...
9月2日の判決 ワケあり物件と損害賠償
東京地方裁判所平成22年9月2日判決 判決の要旨 アバートの賃借人が大家に無断で第三者に部屋を又貸ししていたところ,第三者が部屋で自殺した場合,賃借人は賃料減額分相当の損害を賠償しなければならない。 考察 自殺などのワケあり情報は重要事項として告知義務があるので,物件の借り手が付きにくく,賃料の値下...
8月22日の判決 未公開株式に関する詐欺事件
東京地方裁判所平成25年8月22日判決 事案の概要 本件は,A株式会社の株式の購入代金名下に金銭を詐取されたと主張する原告が,Aの代表取締役として登記されている被告に対し,原告に対する詐欺行為は被告及びAの従業員が会社ぐるみで行った不法行為であり,仮にそうで...
8月14日の判決 成年被後見人と祭祀財産の承継
8月14日の判決 成年被後見人でも祭祀財産の承継者の指定を受けることができる。 東京家庭裁判所平成21年8月14日審判 判決の要旨 成年後見人が成年被後見人を代理してした祭祀財産の承継者の指定申立てについて,申立人以外の被相続人の親族に積...
8月9日の判決 一枚の紙に日付,署名押印があれば有効
8月9日の判決 遺言書が数枚にわたる場合であっても,その一枚に日付・署名・押印がされていれば遺言書として有効とされた事例 京都地方裁判所平成16年8月9日判決 事案の概要 自筆で遺言書を作成する場合,一枚の用紙に収まらず,数枚に及ぶ場合もあり得...