東京地方裁判所平成17年9月26日判決 取締役辞任登記等請求事件
会社から追い出された役員。
辞任届を出しても会社が辞任登記をしないで放置しておくと,その後,会社が不祥事を起こした場合,登記に名前が残っている取締役は責任を追及される可能性があります。
従って,可及的速やかに登記から自分の名前を消した方が良いでしょう。
この判決はその参考事例です。
主文
被告は,原告が平成17年8月18日被告の取締役を辞任した旨の変更登記手続をせよ。
事案の概要
1 原告は,被告の社員総会でその取締役に選任され,その就任を承諾し,平成13年1月22日取締役に就任した旨の登記がされた。
2 原告は,被告に対し,平成14年9月24日,被告取締役を辞任するとの意思表示をし,同年10月21日にその旨の登記がされ,同日,後任取締役にA及びBが就任するとともに,Aが代表取締役に就任し,その旨の登記がされた。
しかるに,平成15年12月17日,A及びBの取締役就任登記が抹消されたため,原告の取締役としての登記が回復された(原告と同時に辞任していたCの取締役及び代表取締役としての登記も回復された。)。
3 原告は,被告に対し,平成17年8月18日をもって取締役を辞任する旨の意思表示をした。
4 しかるに,原告について,取締役退任登記が未了である。
裁判所の判断
請求原因1,2及び4は当事者間に争いがなく,同3は甲4及び弁論の全趣旨により認められる。以上によれば,原告の請求は理由がある。
よって,主文のとおり判決する。