大阪高等裁判所平成25年8月29日判決
村八分が人格権を違法に侵害するとして共同不法行為の成立が認められた事例
考察
未だに村八分なんてあるんだ?!
事案の概要
被控訴人らが,その所属する自治会の構成員から、あることを契機に、「甲野家御一同様」と題して、「今後の誠意ある対応により、近隣との関係が改善されない限りb町行政に関わりのない個人的な付き合いをいたしません。」などと記載した署名押印のある書面を添付した書面を送りつけられるなどして、控訴人らからいわゆる共同絶交宣言ないし村八分をされ、被控訴人らは社会生活上多大の精神的苦痛を被ったなどと主張して慰謝料の支払を求めた事案。
裁判所の判断
大都市やその近郊の住宅地等と異なり、c隣保内の日常の近所付き合いや日常生活における互助関係は、各世帯の日常生活上、極めて重要なものであったにも拘わらず、平成二二年八月頃には、c隣保内の者が被控訴人らとの付き合いをしなくなり、被控訴人らを無視したり、仲間外れにしたり、被控訴人らを誹謗中傷する書面が配られるなどするようになり、更に、平成二三年五月頃、本件通知書が被控訴人太郎方に送付されたものである。
そして、本件通知書は、その内容からも、それまでの被控訴人らに対する行為と一連のものであることは明白であり、被控訴人らに、いわゆる村八分ないし共同絶交を宣言したもので、これらの一連の行為は、社会通念上許される範囲を超えた被控訴人らの人格権を侵害する違法行為であって、不法行為であることは明白である。