遺書というと,自殺の遺書とか,どちらかというと暗いイメージがありますが,遺言書は違います。
遺言,英語で言うと「Will」。
I will ○○.の「Will」。
ご存じ未来形の単語です。
すなわち,遺言は,未来を創り出すためのものなのです。
遺言というと,「自分にはめぼしい財産がないから遺言の必要はない。」とか,
「自分がいなくなった後は子供達が上手くやってくれるだろう。」
と考えている人は多いと思います。
すべての遺産が預金や現金であれば法定相続分通りに分けるのは簡単なので,さほど揉めることもないかと思いますが,これに土地や建物などの不動産が加わると,分け方が面倒になり,場合によっては骨肉の争い(暴争続)にまで発展する可能性があります。
家庭裁判所に持ち込まれた遺産相続に関する相談件数はこの10年間で2倍に増えたといわれております。
遺産相続争いで兄弟の縁がなくなった,なんていう話しよく聞くと思いますが,親が亡くなる子供の世代にはバブル崩壊後リストラにあったりしているので,少ないお金であっても揉めことがよくあります。
遺産の約6割が不動産と言われているので,父親が亡くなって母親が生きているうちはまだしも,母親もいなくなると,兄弟げんかが勃発してきます。
とりわけ,親の介護をしていた長男の嫁と他の兄弟の連れ合い,こういった人たちが出てくると収拾がつかなくなります。
例えば,親の介護をしている兄弟の場合,自分たちは親の面倒を見ているだから多くもらうのは当たり前だ,と言うことになりますし,他の兄弟からすると,長男は親と同居して家賃も払わないのに,自分たちは住宅ローンを組んだり,家賃を払っている。だから長男が親の介護をするのは当たり前だし,兄弟均等に財産を分けるべきだと言うことになるわけです。
また,亡くなった方に子供がいない場合,この方が資産家だったりすると,これまでつきあいも何もなかった親戚縁者がニョキニョキ出てくる。
しかも,内縁の妻には相続権がないので,結局,前妻の子供と自分の子供と子供の数で分けるので,自分の子の方が少ない場合には取り分が低くなってしまうこともあります。
遺産相続には,こういったトラブルが付き物なのですが,これを事前に解消しておくにはどうするかと言うと,これは遺言書を書いておくしかありません。
頑張って作った財産。
これが元で家族がバラバラになるほど寂しいことはありません。
自分と愛する家族のために,想いが続き,未来を創り出す(想続・創続)ための遺言書を書いてみませんか?!