エステと消費者契約法

継続的なサービスを行うエステティックサロンは,契約するためにお客様に様々な情報を提供していきますが,そのとき,注意しなければならないことはお客様とサロンとの間にサービスに対する情報量や質並びに交渉力との関係で,お客様に対し,サロン側が圧倒的に優位な立場にあるということです。

考えてみればおわかりになると思いますが,サロン側はサービスを提供する側ですので,当然サービス内容を熟知していますし,お客様はサービス内容など何も分からないまま,サロンに訪れてくるからです。

また,サロン側は毎日お客様と契約交渉していますが,お客様は契約交渉に慣れておりません。

こういった意味で,サロン側はお客様に対して優位な立場にあるというわけです。

このような状況下において,サロン側から一方的に言葉をまくし立て,お客様の理解を十分に得られないまま,契約書にサインをしてもらいますと,後になって,お客様から無理矢理契約をさせられたなどを言われ,トラブルとなってしまう可能性があります。

トラブルを避けるためには,サロン側はお客様に契約を強制しないことが必要です。

また,契約をするためにはお客様のご理解の度合いに応じた契約内容の説明が必要となります。

これを怠って,サロン側が以下の行為を行った場合には,お客様は契約を取り消すことができますので,十分注意いたしましょう。

① 不実告知
② 不利益事実の不告知
③ 不退去
④ 監禁(退去妨害)
⑤ 問題ある契約書(お客様の利益を一方的に害する条項等)

【参考文献】
「解説 エステティック・サービスの契約Ⅱ エステティックサービス関連法規マニュアル~継続的役務提供契約の解説書~」[財団法人日本エステティック研究財団]
「Q&A美容・エステ110番 基礎知識から被害の実態と対応策まで」[美容・エステティック被害研究会編]